広島酒処周遊サイクリング
先日の小雪混じりの冬空が夢だったかと思うほどに
暖かな陽射しが多くの観光客を包んでおります尾道よりこんにちは。
季節感たっぷりに描写してみましたが、アーケードの中ですので
実際は「多くの観光客」と「尾道」ぐらいしか自信がありません。
いや尾道も怪しいかも。
この数日そんな天気が続いておりますので
本業の自転車稼業だか自転車操業だかが忙しくなってまいりました。
それに反比例してブログの更新頻度が落ちるのはいつものことですが
流石に10日も空くと私自身がソワソワしてまいりますので
本日は先日の小雪混じりの冬空に行ってまいりました
サイクリングのレポートを片手間にお送りしたいと思います。
事の発端は、お客さんよりご紹介頂いたイベントでした。
その”広島酒処(さけどころ)周遊録”というイベントは
その名の通り広島の酒処、東広島市、竹原市、呉市各所で一定額の買い物をすると
カープ坊やならぬ”杜氏坊や”がプリントされたお猪口をもらえる、という
まさにカープファンかつ自転車乗りにピッタリのものです。
(ご紹介ありがとうございます!)
しかし広島県東部の尾道から見ると
県中央部に集中するそれぞれの市を周るのはなかなかにハードそうです。
今回のコース。
当初、海沿いのさざなみ海道を西に走ってから北上する
時計回りを考えておりましたが、基本的に西風が吹く瀬戸内の
さらに春間近なこの時期にそのルートを選択すると
前半の向かい風が千の風になってお墓の前で泣くことになりそうでしたので
反時計回りを選択致しました。
ただそれでも山間で向かい風に苦しめられることは変わりございませんでしたが。
ぜぇぜぇ言いながら西条(東広島市)へ向かう途中に視界に入ったこちらの看板。
“畑の滝”と書いてありますが
「ふーん、畑の中に滝があるのかー」と素通りしてしばらく走った後
畑が水のように滝となっている不思議な光景が頭をよぎり
慌ててUターンをした場所です。
残念ながら普通の水の流れでしたが。
そんな寄り道をしながら広島空港の側まで来ましたが
流石300mを超える標高だけあって、この辺りでまさかの降雪開始です。
尾道を出た時は晴れ間もあったのが嘘のように
この後西条を経由して海沿いへ下るまで
断続的に雪が降ったり止んだり吹雪いたり。
まだ50kmも走っておりませんでしたが
本気で輪行袋を持参しなかったことをこの時は悔やみました。
しかしこんな風景に出会うとまた喜んでみたり。
そうこうしておりますと、尾道から約50km程で
ようやく最初の目的地である西条に到着致しました。
到着早々に酒造所らしき建物がお出迎えです。
ここで一気に降雪量が増えてまいりましたので
気分的には越乃寒梅というかワシの完敗というか。
実はワタクシ西条が酒処というのを全く知らず
それどころかNHKの朝ドラで知った竹原以外に
酒処が広島にあるということすら知りませんでした。
そんな訳ですので、いきなりの有無を言わせないSAKEワールドの出現に小躍りです。
周囲に充満する日本酒の匂いで酔っ払っていたのかもしれませんが
その非日常的な町並みは、尾道とはまた違った情緒を醸し出しておりました。
とはいえ雪も本気度を深めながら降り続いておりましたので
足早に目的のものをゲットしに近くの酒造所へ…昼休みかーい。
しかしこれだけ大規模な酒造所が密集しておりますので
行き先には事欠きません。
お隣の”賀茂鶴”さんで日本酒の小瓶を買い求め
そのレシートを持っていざ観光案内所でお猪口をゲットだ…在庫無いんかーい。
そうなのです、このお猪口は各所に50個限定でしか置いておらず
無くなり次第イベント終了なのです。
この雪の中、その為だけに自転車で山を飛ーび谷を越えー
お酒の町にやって来たハットリくんは、いきなりの挫折感から
そこらの一升瓶を呑み漁って、冷たい教会で犬と共に天使のお迎えを待とう
と自暴自棄になりかけたのですが、案内所のお姉さんの
「いやアンタを迎えに来るのは地獄の使者
もう1箇所の観光案内所に4つだけ残っているみたいです」
という1言でとっさに思いとどまりました。
私の天使がこんな目の前にいらっしゃったとは!
ご新雪、いやご親切にありがとうございます!
まぁ別にそのお姉さんとの後日談もなく、しかし心よりお礼を申し上げて
西条駅の中にある案内所でようやく最初の1つを手に入れました。
※帰着後の店内で撮影
小瓶がどう見ても栄養ドリンクですが
何はともあれ空振りに終わらずホッ。
とする間もなく次の目的地である呉に向かいます。
お猪口のゲットポイント、ポケモン風に言いますとポケストップですか
まぁやったことが無いので適当ですが
そのポイントは東広島市と、竹原にはそれぞれ9箇所あります。
しかしこれから向かう呉市には何と4箇所しかなく
しかもそれらが東西に広い市内に分散しておりますので
ここに無ければお隣へ、という西条のようなことが出来ません。
そんな緊張感を持って、最短距離にあります呉市東端の町
安浦町の”盛川酒造”さんを目指して走っておりますと…
見えてまいりました、いかにも酒造所という雰囲気の建物が
この煙突(?)がどういう役目を担っているのかは分からないのですが
きれいな水のほとりで酒造りが行われるというのは聞いたことがあります。
とすると、きれいな川に挟まれ、かつ空気もきれい(な気がする)この場所などは
まさに酒造りにはうってつけの場所のようです。
お店も、西条のそれとはまた違った趣きがあり
ここまで雪の中辿り着けた苦労も相まってより感動的に映ります。
西条の酒造所群を効率的な大量生産施設とするなら
こちらは家族経営の手作り酒造所と言えますでしょうか。
実際応対頂いたご主人や奥様(?)の人柄もとても気持ちよく
重量が最優先であるはずの自転車旅にあるまじき買い物をしてしまいました。
ちなみにここでのお猪口残数は3。(3/8時点)
色々ドラマチックです。
さて、最後はさざなみ海道を追い風にのって竹原経由で帰るだけです。
その前に名残惜しげに安浦を少し徘徊。
安浦町は以前ご紹介致しました武智丸がある場所でもありますし
町の静かな雰囲気も心地良く、また立ち寄りたいと思いました。
一方、最後のポケストップである竹原は
しょっちゅう通過しているという物珍しさの希薄さも関係していると思いますが
安易に入ってしまった道の駅での機械的な応対が
町のイメージをも希薄なものにしてしまった様な気がします。
(あくまで個人的な印象です)
ともあれここでも重量物の、しかも酒処に全く関係の無いものを買い
無事に最後のポケmお猪口をゲット!
こうして揃った3つのお猪口をマツダスタジアムで提示すると
カーブの試合がベンチで観られる、という特典はないのですが
お猪口と一緒にもらえるシールを貼って応募すると
抽選で”杜氏坊や徳利”がもらえるとのことですので
ここまできたら、とちゃんと応募もしてまいりました。
これで徳利まで揃ってしまったら
今年のカープ戦はほろ酔い気分で観られるのー
と早くも皮算用をしておりましたが
そう言えばワタクシ1滴も呑まないのでした。
そんな訳で恐らく(当たるであろう)徳利は一輪挿しに
お猪口はチンチロリンにでも使おうと思います。
という汗と涙と鼻水の結晶であるお猪口三兄弟は
現在店内にて展示しておりますので
ご興味のございます方は見にいらっしゃってください。
もれなく誇張された2時間の苦労話もセットで付いてまいります。
(最初は積雪2mの中でヒグマと闘った話)