さざなみ街道+αサイクリング
自転車の車道逆走や2人乗りのシーンが気になって
中学生同士が結婚の約束をするという
いつもであれば憤怒の形相でチャンネルを替える場面を見過ごした
道路交通法遵守店ですこんばんは。
何がって、昨日やっておりました”耳をすませば”の話です。
この映画の初公開はもう20年以上前とのことで
車の飲酒運転やシートベルト未装着ですら寛容であった時代では
自転車の交通ルールなど誰も歯牙にもかけなかったのかも知れません。
しかし、少なくとも今の私は、右車線を堂々と走る自転車の描写にギョッと致しましたし
当時と比べると格段に市民権を得たスポーツ自転車の存在と比例するかのように
交通ルールの浸透率もこの20年で飛躍的に高まっていると思います。
願わくば、スポーツタイプではない一般の自転車に乗る方にも
上記のシーンに違和感を持って頂けるようになれば良いですね。
と、「あ、逆走しとる!」「あ、今度は2人乗り!」と騒ぎ立てた結果
隣の四半世紀前女子中学生にコタツから蹴り出された自転車屋は願うのであります。
さて、そんな前口上とは全く関係なく始まる本日の本題は
先日行ってまいりましたサイクリングのレポートです。
サイクリングと申しましても
行き先は取引先の展示会会場ですので半分は仕事です。
会場のある広島市は電車で1時間半ですので
いつもであれば本を携えて身軽に出かける所ですが
たまたまその日は暖かくなる予報でございましたので
数カ月ぶりとなるロードバイクにまたがって出かけてみました。
朝の気温はマイナス2度。
雲も多目でしたので厚着をして出発したのですが
たちまち体が温まり、意外とサイクリング日和に。
広島市までは110km。
ルートは、去年の春以来となるさざなみ海道です。
展示会はPOS(パナソニックオーダーシステム)に関するものでございましたので
それに合わせて今回の相棒もパナソニック(FRT)です。
色んな素材のフレームに乗ってまいりましたが(現在進行形)
この細身のチタンに勝るロングライドのお供には未だ出会えておりません。
ライダーの体重やホイールとの相性もあるかと思いますが
クロモリフレームと遜色ない滑らかな乗り心地と、凌駕する軽さ。
そして重いギアで踏んでもしなりを上手く推進力に変換する懐の深さは
速度至上主義からは見えづらい、シンプルな”乗る楽しさ”を簡単に味わえます。
あと個人的にですが、傷付いた塗装の下で鈍く光るチタンの輝きがまた…(変態の域です)
さざなみ海道は交通量がそこそこございますので
決して走りやすいルートではございませんが
尾道方面から走ると大半を左手側で連れ添ってくれる
瀬戸内の眺めは格別のものがございます。
背景に見えるのは(多分)大芝大橋。
さて、今回の目的はもちろん展示会に間に合うことなのですが
オマケの目的がこちらへの訪問でした。
ただの防波堤に見えると思いますが
下のマップを拡大していただきますと…
防波堤の正体は何と船なのです。
この船、武智丸は常連のお客さんに教えていただいたのですが
物資不足の戦時中に苦肉の策として作られた船が実際に活動し
終戦後に防波堤として第2の人生、ではなく船生を送っているという
その意外性と、歴史的遺物に触れられるという点で是非行きたいと思っておりました。
子供みたいな感想で申し訳ございませんが
実際に目にすると
「なんでこんなコンクリートの塊が浮くんじゃろか?」と。
しかし機雷でも沈まなかった、という話も納得の重厚感です。
役目を終えると解体されるのが常という船舶において
70年経った今でも港の守りとして頼られているというのは船冥利に尽きるのかも知れませんが
当時の切羽詰まった背景や、目の前で錆びついている鉄筋を思うと
やはり悲しい船のように感じてしまいました。
※船への道は立入禁止とありましたが、地元のおじいちゃん曰く「大丈夫」とのことでしたので撮影だけさせて頂きました。
と、しんみりしておりましたら思ったよりも時間が経過しておりました。
「110kmじゃけぇ5時間あれば余裕じゃろ」
と考えていたのですが、そんな観光に時間を使い過ぎたのか
結局平均走行速度26km/hでも遅刻しました。
計算が全く合いませんが、恐らく呉以降の信号の多さも原因だと思います。
しかし幸いなことに展示会の開始も遅れておりましたので結果オーライ\(^o^)/
POSは今年30周年ということでラインナップが増え
各所にブラッシュアップされておりました。
ご興味のございます方は是非ご来店の上ご相談ください。
帰りは輪行でしたが、せっかくの日和でございましたので途中下車をして
ラスト15km程はまた走って帰ってまいりました。
そんな仕事にかこつけた広島サイクリングでございました。
まだ寒い日が続きますが、もう梅の花は各地で見頃でございますので
そうした目的を設定して穏やかな日にサイクリングを楽しまれては如何でしょうか。
しかしあまり調子に乗ると、日没間際に遭難しかけますのでご注意ください。
どこじゃここ…。
(鳴滝山の中腹辺りでした)