シクロクロスシーズン(とっくに)到来! TOYO CX-2
もう11月も半ばでございますが
気付けばこれが今月初投稿のスボラ自転車屋ですこんにちは。
週末が3週連続雨やら台風やらに祟られた10月から一変
11月は自転車日和も多く、それに伴い納車や修理や
レンタサイクルで忙しくしておりました、という
初っ端からの言い訳なのですが、今日の雨の後は
ガラッと冬の空気に包まれるそうですので
その忙しさもそろそろ終盤に突入でしょうか。
だからと言って今後ブログの更新頻度が
飛躍的に高まる訳では無いと思うのですが
というよりむしろ閑散期だから旅に出ます
としばらく店を閉める計画も密かにあるのですが
それはともかく、本日のトピックは
そんなオフシーズンにこそ注目される自転車競技
“シクロクロス”を取り上げてみたいと思います。
外見はロードバイクに似て、しかしその砂や泥の上をも
走り抜けられる走破性は非なるもの、というシクロクロスバイク。
店主がシクロクロス普及委員会中国圏広島支部尾道支所所員見習い
を自称している関係で、過去にもシクロクロスを取り上げておりますが
寒さと共に到来するそのシーズンが今年もやってまいりました。
去年は当店のお客さん2名をダークフォース
いえダートフォースへ引きずり込みましたが
今年はその数を大きく増やし、中国シクロを主戦場として
各カテゴリーを席巻していく予定です!
とは言え、もう5戦中3戦は終わっとるのですけど。
その3戦の中で、当店のダース・ベイダー(お客さん)が
C3・4混走ではありますが、表彰台に連続で立つなど
既に驚くほどの活躍をされております。
その大活躍に、ストームトルーパー(ワタクシ)は興奮することしきり。
先程からスターウォーズ通を気取ったネタが続いておりますが
ベイダー卿の周りにいる白いのを”ウーパールーパー”と書こうとした程度の知識です。
グーグル万歳。
さて、そんなビッグウェーブというかミドルウェーブに乗らねば
と、また若者がシクロクロス道への門を叩きに来ました。
若者と言えども、ロードレースでは実業団に所属する実力がございますので
先程叩いた門も木っ端微塵。
片付けが大変。
若者が所望するは、日本のシクロクロスと言えばこれ!の
東洋フレーム CX-2です。
東洋フレームのラインナップの中ではエントリーモデルですが
写真の状態でしか販売されておりませんので
完成形にするには多少の知識とマニーが必要となります。
今回はオーナーさん手持ちのパーツを多く流用出来ましたが
まずフォークが無いとスタートからウィリーを強要されますので
大人しくご購入頂きます。
カンチブレーキ仕様の定番フォーク
OnebyESU(ワンバイエス)の”クロスモノコック”。
ロードバイクですらディスクブレーキが幅を利かせる昨今
より悪条件での制動力が求められるシクロクロスは
ディスクブレーキでない新車を探すのが難しいほどです。
ただしもちろんディスクブレーキにするには専用のホイールが必要です。
今回のオーナーさんのように、手持ちのロード用ホイールを流用したい
という方には、まだまだカンチブレーキ仕様の需要がございます。
ちなみに今回は、より強い制動力を求めて
ミニVブレーキ仕様を採用致しました。
ミニVブレーキは、ロード用のシフト一体式ブレーキレバーでも使え
その制動力は通常のVブレーキに匹敵することから
当店のシクロクロッサー(シクロクロスをする人)の中では
使用頻度が高めです。
タイヤとブレーキワイヤーとのクリアランスが狭い為
泥々コースでは注意が必要ですが、比較的きれいなコースが多い
中国シクロではその心配は不要です。
一方過剰なまでに泥を演出する関西シクロでは
ディスクブレーキに軍配が挙がるかもしれません。
そのような訳で、マッドよりも草地の高速レースを想定して
タイヤもPanaracer(パナレーサー)の”CG-CX”をチョイス。
この軽くて強いタイヤは個人的にお勧めの一品です。
そのフォークを滑らかに保持するのは
トカゲ印でお馴染みのCANE CREEK(ケーンクリーク)”40″。
この上位に”110″というシリーズがあるのですが
文字通り110年保証という高い耐久性を誇ります。
しかしもちろんそこまでいくと高価な上に
110年経ったら他のパーツが全滅しとるわというかワシが死んどる
ということで、準じた性能をもつ”40″と相成りました。
オーナーさん(20歳)は40年後でもまだ現役かも知れませんが
ワシはもういないか、いても俳諧か徘徊が関の山だと思います。
秋深し 隣のあんた 誰じゃったかの(マニ太郎 82歳)
前述の通り、最近のシクロクロス車はディスクブレーキが全盛ですが
もう一つスタンダードになりつつあるのが、フロントのシングルギアです。
これもクロスカントリー系のMTBから伝播した形ですが
ただダブルやトリプルのチェーンリングをシングル化した訳ではなく
チェーン落ちが発生しにくい形状の専用品です。
今回使用したウルフトゥースは当店では取り扱いがございませんが
シングル用チェーンリングの先駆けと言える定番ブランドです。
以前に比べるとこの分野に参入するメーカーが増えてまいりましたので
リアの多段化に伴い、ロードバイクも含め今後さらにフロントシングルが定番化していくような気がします。
ちなみにウルフトゥース(WOLF TOOTH)は”狼牙”ですが
これで響良牙が浮かんだ人はサンデー派
絶・天狼抜刀牙が浮かんだ人はジャンプ派でしょうか。
私はもちろん後者です。
赤目とか赤虎が好きでしたので、当時から赤党だったようです。
赤カブトも赤だと言うことに今気付きましたが無視。
そんな訳でシンプルに仕上がりましたドライブトレイン。
フロントを38T、リアを11-32Tとしましたので
大抵のコースはこれで対応可能だと思いますが
武田の爺様と呼ばれるワタクシの脚力であれば34Tが欲しいところです。
ハンドル周りはご覧の通り。
STIは前TIAGRA(4600)を流用しておりますので
1本触覚となっておりますが、それでもスッキリ仕上がったほうでしょうか。
タフな使われ方をする自転車ですので、メカニックと致しましては
この外出しシフトワイヤーがメンテンナス性の面でも好ましいのですが。
という訳で、唐突に完成致しました。
軽量さよりも耐久性と信頼性、という自転車ですので
重量を量るのも野暮な話でございますが
興味本位でチェックしてみましたら上出来の8.6kg。
クロモリフレームが1.87kg、フォークが0.48kgございましたので
この軽量さは想定外でございました。
やはりタイヤと、持ち込みのホイール(SHIMANO RS-81)が功を奏したのでしょうか。
後は練習あるのみですが、ミスを少なくする走りを心掛ければ
体力的に、いきなりの上位は間違いないでしょう。
デビュー戦は間近に迫った26日(土)の中国シクロ第4戦、広島備北丘陵公園。
このレースには私を含め多数のお客さん方も出走される予定ですので
今から皆さんの活躍を楽しみにしております。
という訳で、以前からお知らせしておりますように
当日11月26日(日)は臨時休業とさせて頂きますので
ご不便をお掛け致しますが、ご理解の程よろしくお願い致します。
さてワシも今から練習を…寒いのでやめよ…。