シクロクロスへの誘い(macchi cycles紹介)
本日のお仕事
午前中:週末に泥々になったレンタサイクルのお掃除
午後:作業スペースの模様替え
夕方:常連さんと雑談
以上のことから、本日を持ちまして
自転車屋は閑散期に入ったと言ってもよいのではないでしょうか。
そんな訳で頭の中はクリスマスの過ごし方、及びお年玉の額で
既にいっぱいの自転車屋ですこんばんは。
あ、いっぱいは嘘です。
クリスマスは仕事、お年玉はワンコイン、で既に決定しておりますので。
しかしこれを読んだ甥っ子及び姪っ子(共に小学生)にバレると
私の身が危険ですので、上記の予定は来年までご内密にお願い致します。
ちなみに年始になかなか店が開かない場合は
実家のある土佐湾沖を捜索してください。
さて、その寒さと天候不順で自転車需要が落ちるこの時期から
むしろ活発化する自転車競技があることを皆さんご存じでしょうか。
それがタイトルにもございます”シクロクロス”です。
百聞は一見に如かず、まずは今年1月の世界選手権をご覧ください。
初めてこの競技をご覧になった方はもちろんのこと
自転車屋である私ですら
「なにやっとんのこの人ら…」
と思うこと必至な光景です。
起源は、舗装路主体のロードレースがオフシーズンに入る冬期に
トレーニングとしてフランスで始まったものだそうですが
何故か伝統的にベルギーの選手が活躍している競技です。
故にこの”シクロクロス”はフランス語読みでして
先日来店された英語圏のお客さんの
「サイクロクロス」という発音に一瞬考え込んでしまった私は
まだまだ修行が足りないようです。
※単純に「クロス」と略す方もいらっしゃいました。
そのような成立背景でございますので
使われる自転車も一見するとロードバイクです。
これは先日の紅葉狩りで使用致しました
当店新規取扱いブランド”macchi cycles“のオーダーシクロです。
まだ新しいブランドですので、初めての方には十中八九
近藤真彦と混同されますが、読み方は「マッキ」です。
新進気鋭のビルダー「マキさん(男性)」のお名前からきています、多分。
素材はクロモリ。
重さの面では不利な鉄のフレームが
カーボンフレームと互角に戦えるのもシクロクロスの魅力で
それは路面追従性の高いしなりによるものだと思います。
またアチコチでボテボテと転けますので、その頑強さも武器と言えるでしょう。
シクロクロス用のフレームも、ロードバイクと同じパーツを付ければ
ロードとほとんど違いはなくなりますが、それをシクロクロス用、と
定義付ける箇所がいくつかございます。
まずは太いタイヤを受け入れられるステー形状。
滑りやすい路面を走りますので
タイヤは空気圧を落とせる太いものが有利ですが
現在は”(700×)33C以下”という規定がございます。
それでもロードバイクの23Cや25Cと比べると見た目にも幅広で
写真の32C幅のブロックタイヤは、通常のロードバイクフレームには入りません。
そして泥詰まりを緩和させるためのブレーキも定義の1つです。
近頃はシクロ、ロード共にディスクブレーキが増えてまいりましたので
お互い共通する点も多いのですが、まだロードバイクで主流の
キャリパーブレーキでは、上記の太いタイヤが干渉するのに加え
すぐに泥が詰まって、転がりが非常に重たくなります。
ですので以前はタイヤ周りの空間が十分に取れるカンチブレーキが主流でしたが
より高い制動力を求める場合は、写真のようなミニVブレーキという選択肢もございます。
(泥詰まりには多少不利となります)
そしてギアは、速度域がロードレースと比べると低目で
速度の高低差もそれ程激しくはない為
低・中速域のクロスレシオが一般的です。
チェーンリングは、市販車では46×36Tの組み合わせが多いでしょうか。
不整地走行や着地時にチェーンが暴れて外れることもしょっちゅうですので
チェーンが外れにくいタイプのシングルを使うという手も最近はございます。
これは38Tの楕円ですが、12-27Tのスプロケットと組み合わせると
余程特殊なコースでない限り対応出来そうな気が致します。
対応出来なければ担いで走りますしε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
ペダルは、両面ともキャッチ可能で
泥詰まりに強いMTB用のSPDペダルが一般的です。
それに伴い、シューズも滑りにくいスパイク付きが良いでしょう。
さもないとこうなります。
いつかの讃岐シクロですが、これが無ければ2位だった
という残念なズッコケです。(一番下のカテゴリーです)
今回のフレームオーダーは、身長や股下長等の基本データと
簡単な用途や乗り味の希望だけをmacchiさんにお伝えして作って頂きましたが
「上りも速く走りたいなー」という希望を
軽くて硬めの”KAISEI 8630R”で叶えてくれました。
まだ近所一帯でしか乗っておりませんが
フレーム以外は全く同じパーツを流用していても
これまで乗り継いできたクロモリシクロよりも
確かに軽快感が増しております。
そしてポジションは全く変えておりませんが
何故か操作性が格段に上がっておりました。
この辺りは、パイプ素材だけではなく
何かジオメトリーの魔術、というものがあるのでしょうか。
今期、と申しましても中国シクロの広島会場2戦のみですが
この”赤マント号(椎名誠さん風)”、もしくは”赤影号(雰囲気)”で
参戦致します。
中国シクロは関西シクロなどと比べるとまだまだ参加人数が少ないですので
冬にも自転車で遊びたい、という方は一度参加されては如何でしょうか。
タイトルは「シクロクロスへの誘(いざな)い」ですが
「誘(さそ)い」の方が合っているような、そんなお気軽さがシクロにはございます。
カテゴリーによってはMTBやクロスバイク(タイヤはシクロ用)でも
参加可能ですので、ご興味がございましたら一度ご相談ください。
基礎中の基礎だけはレクチャーさせて頂けますので!
追伸:今週水曜日(11/23)は祝日の為営業致します。