機材紹介 シクロクロス編
相も変わらず自転車に乗る気まで吹き飛ばす
冷たい風吹く尾道よりこんにちは。
昨日などは、朝方に
「これからトレーニングへ行ってきます!」
と挨拶に来てくれた実業団選手が
雪と冷雨とパンクに見舞われて
昼前に早々と帰って来ておりましたが
かくの如く、この時期のサイクリングは
判断が難しいものです。
まぁ最も難しいのは走り始める決断ですので
出発しただけ流石選手、というものですが。
そんな季節の自転車屋も
からっ風で飛んでいく程の仕事量なのですが
この1週間ほどの間に、新車のご相談や
春のレンタサイクルの予約は急増致しました。
去年もそうでしたが、このまだ寒い最中に
突然思い出したかのように依頼が増える
という現象は何か心理的と言いますか
本能的と言いますか、そんなものがあるのでしょうか。
例えば気温が前日比で何度上がったら、とか
2月の声が聞こえたらスイッチが入る、とか。
ともあれ既にゴールデンウィーク期間の
レンタサイクルのご予約が続々と入っておりますので
今年の春にしまなみ海道をロードバイクで走ってみたい
(もしくは愛車の輪行が面倒)という方は
お早目にご予約をお願い致します。
ここで終わっても全く違和感が無いほど
長ったらしいプロローグとなりましたが
せっかく画像をアップ致しましたので
本日は自転車屋らしいネタを一つ。
取りい出したるは、先日のシクロクロスレースの優勝マシン。
見た目が国籍、という素性不明ではありますが
某有名メーカーのカーボンフレームです。
(USAさん撮影)
日頃から「機材は二の次。エンジン第一。」
と安全標語みたいな口癖が定着しております
自転車屋ではありますが、先のレースの
1位と2位の15秒という差ぐらいは
まかなえる機材のアドバンテージが
このまっくろくろすけにはあります。
その根拠第一号がそのギア比。
スプロケットにMTB用の11-40T(XT)
チェーンリングを楕円の38T(Rotor・シングル)
というかなりロー側に振った組み合わせです。
今回のコースではそこまでのローギアは必要無かったようですが
転ばぬ先の何とやらで、斜度15%以上の未舗装路では
恩恵があること間違い無しです。
そしてMTBのディレイラー(XT Di2)を採用したのは
ギアだけの理由ではありません。
シクロクロスレースの様な荒れた路面を走ると
チェーンが写真のようにたるんだり暴れたりして
チェーン外れ等のトラブルを引き起こすことがあります。
そこで、コースに応じてディレイラーに搭載されている
スタビライザーを使用することで
そういったトラブルを防ぐ目的もあります。
まぁ最近のシングル用チェーンリングは優秀ですので
そこまで神経質になる必要も無いとは思いますが。
そのリアディレイラーを動かすシフター。
フロントの変速が不要ですので
ブレーキ機能のみのレバー(BL-R400)を採用し
そこにスプリントスイッチを加工して埋め込みました。
右スイッチでリアのシフトアップ、左でリアのダウンです。
ヒントはSRAMのeTapですが、それをシマノで模倣すると
何とも貧乏くさ…いえ胡散臭くなりますね。
しかし右手左手でシフト操作を分けることは
特にシクロの様なテンヤワンヤ状態の時に
確実な操作が望めますのでメリットはあると思います。
ちなみにレバーには、こちらもシクロでは
滑り止めに有効なOTIONのグリップを。
上りや、万が一のケーブル抜けに備え
サテライトスイッチも付けております。
この自転車の最大の売りはその重量です。
最初から最後まで重力に抗うヒルクライムレースでは
自転車の軽量化はタイム短縮の為に不可欠ですが
レース中はのしんどさが軽減される訳ではありません。
一方のシクロクロス車の軽量化は
全般的に体感できる程の負担軽減が見込まれます。
それはやはり”持ち上げる”シーンが多いからで
10kgのダンベルよりも8kgの方が楽に上がりますし
それを持って階段を駆け上がった時の脚の疲れも
もちろん軽い方が少ないはずです。
また泥や砂への埋没量にも多少は影響があると思いますので
担ぐシーン、押して走るシーン、もちろん
乗車しているシーンでもその軽さは武器となります。
そんな訳で、フレーム以外のパーツ選択も重量基準で。
通常はお尻との相性を最優先とすべきサドルも
レース時間の短いシクロレースであれば
優先順位を入れ替えるのもありでしょう。
そんなこんなで、車重は7,4kg。
アルミクリンチャーホイールの割には
軽く仕上がったと思います。
そのホイールは、当店イチオシで
度々ここでも紹介しております
ALEXRIMSの“ALX 473EVO”。
5万円を切る価格で前後1460gという軽量さ
ワイドリムに30mmハイトのリム、と
シクロクロスにうってつけのホイールです。
それだけでも即戦力として使用出来るのですが
今回それを装着するのが、カンチブレーキ仕様なのに
エンド幅135mm、という謎のフレームでしたので
(ホイールはもちろん130mm仕様)
スペーサーを入れて、センター出しをする過程で
スポークを最強の呼び声が高い
SAPIMの“CX-SUPER”に交換してみました。
SAPIMと言えば”CX-RAY”が定番ですが
それよりも軽いものに替えると
究極のホイールが出来るのではなかろうか!
と期待致しましたが、実測で10g程しか軽くなりませんでした。
スポーク代は760円×24本の18,240円(税抜)です。
1gの軽量化に1,824円です。
ハカリの前で崩れ落ちたことは言うまでもありません。
※スペーサーの重量も多少はありますが
まぁそれだけ良いスポークが元から使われている
ということです、ALX 473EVOは。
最後はホイールのご紹介となりましたが
ともあれこんなこともやっております紹介でございました。
何かご相談がございましたらお気軽にどうぞ。
ちなみに2月11日(日)もシクロの為お休みを頂きます。
毎度ご迷惑をお掛け致しますm(__)m