めおとライドの手引きのようなもの(2/2)
オリンピックが終わって寂しさを感じる一方
ようやく各番組が通常放送される、と安堵しております
NHK好きの自転車屋ですこんにちは。
好きな番組は、朝ドラと大河を除けば
“ブラタモリ”と”家族に乾杯”
そして時期によっては”こころ旅”ぐらいなのですが
それらが全てオリンピック放送に置き換えられておりましたので
この数週間は競歩やレスリングの応援で憂さを晴らしをしておりました。
お陰さまでレスリングの大まかなルールは今年ようやく理解出来ました。
一方、通常放送されていたものの中に甲子園もございましたが
これは特に狙って観ていた訳ではございませんので
失礼ながらいつの間にか始まっていつの間にか終わっておりました。
オリンピックイヤーの夏の甲子園はちょっと可愛そうですね。
(作新学院優勝おめでとうございます!)
NHKを語らせるとまだまだ前口上が続くのですが
(小野文惠さんが可愛いとか勝丸さんが夏休みでヤル気が出ないとか)
取り合えず本日は前回の続きをば。
前回は、脚力差のあるライダーの内
主に遅れがちな方向けのご提案をいくつか挙げてみました。
そして今回は、気が付けば先行しがちな方向けの内容です。
遅れがちな相手にペースを合わすことは
その逆よりよっぽど簡単です。
つまり”遅く走る”か”多く走る”かすれば良いだけですので。
しかし、そこまで脚力のある方ですと
ただ漫然と走ることが苦痛に感じるのかも知れません。
その苦痛の大半は恐らく
「あーこれじゃあトレーニングになんねーぞ」
という、何と申しますか
10倍重力の海王星で修行をした悟空が地球に降り立った時に言い出しそうな
つまりは強くなることに貪欲な戦闘民族的感覚なのではないでしょうか。
そんなサイヤ人にご提案したい
トレーニングをしつつ遅い方のペースに合わせる技のいくつかです。
まずは多く走る。
これは基本的に上り坂で有効な方法ですが
脚力差が特に出やすい場所ですので
取り合えず速い方はサッサと上ってしまいます。
そして、山頂なり途中の駐車場なりキリの良い所でUターン。
頑張って上っていらっしゃる方の所まで下り
そこからまた自分のペースで上り、そしてまたUターン、という流れです。
これは遅い方にも気を使わせませんし
自らのトレーニングにもなる一石二鳥な方法ですが
後続の方にはひょっとしたらプレッシャーを与えることになるかも知れません。
後続の方が被害妄想を抱きやすいと
(あんた遅いのー。ワシもう上って来たんじゃがー)
という声なき声を耳にされ、2回目のUターンでラリアットされるとか。
ここは相手の方との関係や脚力差によりますが
あまりに後続の方がツラそうであれば背中を押して上げるとか
余裕はありそうだけども速度が出ていない場合は
一旦坂の一番下まで戻って再度上る、等の工夫をしてみてください。
ちなみにその上りが全長10kmなどという本格的な場合は
あまり両者の距離を広げ過ぎると、パンク等のトラブルに
迅速に対応出来なくなりますのでご注意ください。
まぁそんな本格ヒルクライムへ相手の脚力を考えずに連れて行くことが
そもそものトラブルの元なのですが。
そして、上り平地問わずお使い頂けるのが特殊なペダリングです。
まずは片足ペダリング。
これは基本的にビンディングシューズ限定となりますが
文字通り片足だけでペダルを漕ぐ方法です。
速度を落としつつ、円を描く理想的なペダリングを習得出来ますが
慣れていないとバランスを崩したり、膝を痛めたり致しますので
たまに差し挟む程度に留めて頂いた方が良いと思います。
私は主にしまなみ海道の橋の上り口(斜度5%以下)でしか使いません。
そして、これもビンディング限定の方法となりますが、引き脚ペダリング。
こちらも文字通り引き脚(ペダルを踏むのではなく引き上げる)
だけでペダルを漕ぐのですが
平地や坂を問わず、また長時間使えますので
脚力差を埋める手段のベースとしてオススメ出来ます。
大雑把に申し上げると、自転車を右側面から見て
普段はペダルが1時の位置(上死点を僅かに通過した辺り)
にある時に力強く踏み込み
6時になる直前で終わる(引き脚に移行する)のですが
それをまるっきり180度回転させて漕ぎます。
つまり6時(一番下)辺りからグイッと上へ引き上げ
いつも力を入れるポイントでは完全に力を抜きます。
これも回すペダリングの意識付けと
主に太腿裏側の筋トレに有効な方法で
特に上りでは速度が大幅に落ちますので
ペースダウンにも非常に効果的な漕ぎ方です。
難点は、普段のペダリングではサドルから腰を浮かそうとする
力が働くのに対し、引き脚では逆にサドルに腰を押し付けますので
普段よりもお尻の痛みが発生しやすいことです。
これは、長い距離を引き脚だけで走った後
ふと通常のペダリングに戻すと簡単に体感頂けると思います。
「いつものペダリングが何と楽なことか」と。
話が僅かに逸れますが、よくお客さんから尋ねられます
「お尻が痛くないように乗るにはどうすればよいか」
というご質問への答えの何割かは、この辺りにございます。
一番は”慣れ”なのですが、脚力が上がってまいりますと
その”サドルから腰を浮かす力”も比例して増しますので
やはりともかくも乗る時間を増やして頂くのが一番でしょう。
(サドルとの相性もございますので絶対ではございませんが)
後は通常より重いギアや空気椅子ペダリングで筋トレ
無駄に軽いギアでケイデンストレーニング
という基本的な手段もございますので
それらを織り交ぜながらトレーニングとペースダウンを
上手に図っていただければ、双方ハッピーなサイクリングを
お楽しみいただけるのではないでしょうか。
※空気椅子ペダリング:膝を深く曲げ腰の位置を固定した立ち漕ぎ
ちなみに究極の速度減衰技として
“ブレーキング・ザ・ホイール・オールウェイズ”
とか
“エアー・プレッシャー・ゼロ”
というジョジョっぽいものもございますので
ご興味のございます方は当店にてご相談ください。
処置後のクレームは受け付けません。