冬眠前のご挨拶 2022
まぁもうすっかり冬眠中(12日目)ですので
タイトルに偽り大アリなのですが
毎年同タイトルで1年の総括をしておりますので
今年最後のお目溢し、ということでさておき。
せっかくですので、こんな長い休みを取っている
中年自営業者の日常を、興味無い
という声を無視してご報告いたしますと
まず最初の週はほぼ毎日病院通いをしておりました。
かかった科はなんと4つ。
これは主にメンテナンスというよりチェック目的でしたが
明治・大正時代の平均寿命(40台半ば)を
超える歳にもなりますと色々と出てくるもので。
ちなみに今年の大河ドラマで興味を持った鎌倉時代の平均寿命は
どういう調査方法かは分かりませんが20代半ばだったとのこと。
ドラマに登場した為政者の多くは
50代、60代まで生きたようですので
それはやはり子供の頃に命を落とす
庶民が多かった、ということでしょうか。
想像するとそうですよね。
栄養の概念も希薄だったでしょうし
いざという時の頼みの綱も薬草ぐらいですので
風邪や食あたり、下手すると虫歯1本が命取りになりかねません。
そしてせっかく大人になれたら戦だ暗殺だですから。
特に長生き願望があるわけではありませんが
近所に病院のある時代に生まれて良かったとは思います。
歴史ついでに、今の自分と同じ歳が行年
という有名人を調べてみましたら
意外にも織田信長が出てきました。
人生50年の人、という認識でしたので
てっきり50歳まで存命かと思っておりましたが
満年齢では48歳直前で亡くなったようです。
数え年は知りませんが。
あとは大久保利通も行年47歳だそうですが
なんでしょうかね、暗殺されやすい年ごろなのでしょうか。
一応私は家来を邪険に扱ったり、不平士族に恨まれたり
はないはずですので大丈夫だとは思いますが
もしこの冬休み中に店の門外で茨城県民に切られておりましたら
あぁ勝手にアメリカと何か条約を結んだんだな、と思ってください。
ちなみに井伊直弼は行年44歳だそうです。
なんだか緩い人生を歩んで皆さんスミマセンという気持ちになります。
ガタが出始めつつあるとはいえ
現代ではまだまだ働き盛りのアラフィフではありますが
しかし今年、自分より若い40代のお客さんお二人が事故で亡くなりました。
お一人は、店がオープンした頃からの付き合いで
ご近所さんでもあり、また弟と同年齢でもあったことから
共に自転車レースへ参戦したり、釣りに行ったりと
公私に渡って遠慮せず付き合える数少ない人でした。
今年に入ってすぐに希望していた新しい職を得
得意満面で新生活の報告をしに来たのですが
その数日後に仕事中の事故であっけなく旅立っていきました。
年長者には笑われるかもしれませんが
それまでにも人の命の有限さを絶えず意識し
自分の人生の納得いく終い方を緩やかに模索していました。
しかしそれは考える時間あってのことで
いつでも会えると思っていた、しかも自分よりも若い人が
突然この世からいなくなった、という事実は
これまで経験してきた年配者の病による旅立ちとは
理不尽さや後悔の面で大きく異なりました。
そしてそれは今年1年ずっと、頭の中の
少なくないスペースで淀んでおります。
これは仕事面での総括とは違うかもしれませんが
その事故以来、人への接し方が変化したという点で
まず最初に挙げたい今年の大きな出来事だったと思います。
世界的にもきな臭くなりつつある昨今
この普段当たり前と思っている日常の大切さや
そこにいてくれることへのありがたみに
もっと意識を向けてみよう、と思った次第です。
そのきな臭さにも起因しておりますが
今年も安定とは程遠い1年でした。
去年は供給の不安定さに苦しみましたが
今年はそれに加えて価格の不安定さが顕著でした。
でした、というか現在進行形で酷いのですが
どの商品も年始から比べるとほぼ3~5割は値上がりしました。
そして年明け早々のさらなる値上げを決定しているメーカーもあります。
私が生まれて半世紀近くの間に
様々なものが値上がりをしたはずですが
それは少なからず世帯収入の上昇にも連動していたと思います。
しかし仕入れと販売をする側から見る今年のそれは、
物価の暴走という言葉がぴったりと当てはまる程の異常事態でした。
売る側も買う側も、その暴走する物価から
次々と振り落とされている、そんなイメージ。
来客数は、特にこの秋以降
海外の方を中心にコロナ禍前近くまで回復しましたが
上記の仕入れコストの大幅な上昇による利益率の低下と
販売価格上昇による買い控えにより
商売の面では去年同様の低調具合でした。
当店はレンタサイクルもやっておりますが
その修理や維持に必要なパーツもこれだけ値上がりすると
商品だけではなく、あらゆるサービスの料金も
値上がりするのは必然なことだと実感しております。
今のところ来年も価格据え置きでいく予定ですが
これは今後の製造メーカー次第でしょうか。
値上げの多重追突で最後にダメージを食らうのは
結局消費者(ユーザー)ですので
それを途中で少しでも吸収出来ればと思うのですが。
今年の総括も暗い話題ばかりとなり申し訳ございませんが
我々を取り巻く環境の近々の改善が期待できない以上
出来る範囲で楽しみを見付けながら
健康に気を付けて来年もボチボチとやっていきたいと思います。
ちなみに強いて今年の明るい話題を挙げますと
お気に入りのパン屋さんが出来たことぐらいでしょうか。
今30秒考えて出てきた話題のあまりの小ささに
自分でもびっくりしておりますが
そんな小さな喜びを味わいながら
平和に生きていられることを当たり前と思わず
一期一会の精神で来年も精進いたしますので
どうぞよろしくお願いいたします。
新年の営業は1月7日(土)からです。
それではまた冬眠に戻ります。
皆さま良いお年を。