普通に営業中


今年の2月は29日まであるけー
ブログはいつでも書けるじゃろー
と思っとりましたら
いつの間にやらあとのひな祭りな
自転車屋ですお久しぶりです。

アーカイブを見てみますと
2016年1月から…何故かオープン前からですが
そこから欠かさず月に一度は
更新しておりましたので
穴をあけてしまったのは
残念といえば残念です。

しかしまぁ全ては自身の怠惰の致すところでございますので
気を取り直して本日も駄文をダラダラと。

1月から2月は、例年通りほぼ残業も発生せず
なんなら臨時休業をして小旅行になんぞ
出かけるほどのんびりしておりました。

旅行先の一つは備中松山城で有名な高梁市(岡山)。
見るだけで降参したくなるような険しい石垣を擁した現存天守や
当時の雰囲気を残した武家屋敷小路。
そして何より、本屋とスタバと図書館が融合した
居心地最高な駅など、城郭&歴史&本好きが
思わず移住したくなるような素敵な場所でした。

それはまだたった一ヶ月前の話なのですが
振り返ると、その時が気軽に出かけられた
最後の時期だったのかも知れません。

さて、このコロナウィルスの影響ですが
マスクやトイレットペーパーの品薄はさておき
先の見えない閉塞感で見ると
丁度2年前の逃走犯騒ぎの比ではなさそうです。

あの、今治から逃げた服役囚が向島に潜伏した
というハタ迷惑な騒ぎの時も
今のようにイベントが軒並み中止となり
観光都市尾道は少なからず被害を被りました。

しかしあの時は、人一人を捕まえれば即解決
翌日からは平和な日常生活が送れますお疲れさまでした
という至極単純な構造でしたが
それと比べて複雑長期広範囲なのが今回の騒ぎです。

逃亡犯が潜伏したことによる実害は
イベントの中止といくばくかの経済損失。
そして地元の人間と警察官の疲労ぐらいでしたが
範囲と数に際限のないウィルスが相手ですと
小はデマによるトイレットペーパー争奪戦から
大は人の生死や長期的な経済の停滞まで
あらゆる騒ぎの影響を受けざるを得ません。

体感できるミクロな影響で言えば
レンタサイクルの予約がいくつかキャンセルになったことと
通りを歩く特に海外の観光客が
目に見えて減ったぐらいでしょうか。
しかしその中でも新車のご用命や
修理のご依頼は例年並みに頂いておりまして
こちらは大変ありがたいことだと思っております。

しかしそんな非常事態に話題となっております
あのマスクやトイレットペーパーの買い占め騒ぎは何でしょうかね。
ああいう騒ぎを見聞きすると、互助精神という言葉は
この国の辞書から消え去りつつあるのだなぁ
と、ウィルス以上に恐ろしく思います。

需要が無ければ、その供給(高値転売)も成り立たない訳で
その関係性だけを見ると
それも一つの経済活動なのでしょうけども。

自転車関連で無理やり例えると
明治末に起こったハレー彗星騒ぎでも
その最接近の5分間だけ地球上の空気が無くなる
という噂から、自転車のチューブが買い占められたそうです。

科学知識が浸透した今となっては
「無くなった空気(酸素)が5分で回復するんかい」
などと、当時の騒ぎを嘲笑えるかも知れませんが
未知の現象に対する恐れで右往左往するのは
今も昔も全く同じだと思います。

現代でいえば、突然
「1年後に隕石が落ちます。人類の半分が死にます」
とのニュースが流れるようなものでしょうか。
その際に買い占められるのは
アウトドアグッズ一式と保存のきく食料。
お金持ちは船やシェルターを買い漁り
護身用の弓や刀も品薄になるでしょうか。
鎧はあまり売れなさそうです。
生き死にに影響のないトイレットペーパーの優先度は低く
ひょっとすると
“インド人が教える ペーパーレス排泄方法”
なる本がベストセラーになるかも知れません。

その明治の当時、自転車チューブを買い占め
法外な値段で転売した人は
やはり”ハレー成金”などと呼ばれたのでしょうか。
もしくは”ゴム成金野郎”。

御存知の通り、結局ハレー彗星は
地球に何の影響も及ぼさず
また75年間の旅に出たのですが
想像するに面白いのは
その騒ぎが収まった後のゴム成金野郎の立場です。

もちろんインターネットも無い時代ですから
ご近所界隈で直接知られている訳です。
「あそこの人、あの時800円のチューブを8,000円で売ってはったで」
金額は現在のものに換算しております。

騒ぎはいつか収まりますが
そういった恥ずかしいぐらいにあらわになったあさましさは
ひょっとしたら子々孫々語り継がれるかも知れません。
「あの子の曾祖父さんは、ハレー騒ぎで村八分にあったんやで」
とか。

今は当時よりも段違いに匿名で活動出来ますので
昔ほどそういったリスクを考える必要はないのでしょうけども
根底の”人の足元を見て私利私欲に走った事実”は
それがバレるバレないに関わらず
社会にとって迷惑で恥ずかしい存在
という点でゴム成金野郎と同じです。

自分の分まで人に与える、という自己犠牲は必要なく
ただ緊急時には必要なものを必要な分だけ、という
本当に基本的な状況判断力だけがあれば
こんな事態も無事に早くやり過ごせると思うのですが。
まぁそれが出来る人は、緊急時を商機と捉えないでしょうけども。

と言いつつ、次回のハレー彗星接近日
2061年7月28日(木)に
店内のチューブの売値が1桁増えていたらごめんなさい。
まぁ空気がうんぬんの前に店主生きておりませんけど。

ところで今ふと気が付きましたが
その明治末(1910年)当時は
ビニールが製品化されていなかったということですね。
ビニール袋があれば、臭うチューブよりも良いですし
安価に家や町全体を覆うことも出来たでしょうし。

ともかく、今回の騒ぎの影響で
当店も小さな被害は出ておりますが
今のところいつも通り営業をしております。

立て続けに、営業状態のお問い合わせがございましたので
そのお返事としてブログを書き始めたのですが
上の3行以外書くことが決まっておりませんでしたので
結果いつもの希薄長文となりました。
申し訳ございません。

ちなみに現在は平常運転ですが
周囲にウィルスの影が忍び寄ってきた場合は
我が身可愛さに即テレワークとなる可能性はあります。

店に入るとカタログと工具類
そして電話番号が書かれた紙1枚。

新車をご希望の方は
展示車とカタログの中からお選び頂き
お電話を頂ければご注文を承ります。
今ならなんとさらにもう1台をお付けして
お値段はビックリの2台分。

修理をご希望の方は
とりあえず工具を使ってご自身でやって頂き
分からなければ、お電話を頂ければ
新車のご注文を承ります。
今ならなんとさらにもう1台をお付けして
お値段はまさかの2台分+工具使用料。

極論かも知れませんが
テレワークで代用の効かない職種ほど
職人が活躍できるのかも知れませんね。

ともあれ早く平穏が訪れ
各地に活気が戻りますように。

冒頭の写真は、千光寺の河津桜(現在は既に葉桜)です。